青年海外協力隊 思い出

エッセイ

【モザンビーク】青年海外協力隊時代のつらい思い出、ありますか?

先日、国際協力に興味を持つ大学生からインタビューを受けました。

その学生さんは青年海外協力隊に参加しようと考えていて、特にスペイン語とポルトガル語圏でのキャリアに興味を持っているとのこと。

モザンビークでものすごくお世話になった知人を通じて、私に連絡が来ました。

大学時代や協力隊の派遣前訓練、協力隊時代のエピソードなど、ビデオチャット越しに1時間ほど話しました。

その中で印象に残ったのが「協力隊時代にツラかったことは?」という質問。一瞬、思考が停止しました。

特にないかな……いや、1つだけあるかも

ツラい思い出……と当時のモザンビーク生活を思い出してみたものの、特に思い浮かぶツラい出来事がない。そこでインタビューの場では「特にないですね」と回答。

「へ〜!1つもツラいことがなかったなんて、素敵ですね!」と感激した様子で反応してくれた大学生。でもすみません、今書きながら1つ思い出しました。「首都の歯医者での治療事件」がありました。

任地で骨付きの鶏肉を食べたら差し歯が取れてしまい、首都へ上がるタイミングで治療したことがあります。これはその時のお話。

首都のトップクラス歯医者

訪れた歯科クリニックは白人(おそらく南アフリカ人)が歯医者で、当時、モザンビーク国内ではトップクラスの歯科と聞いていました。

クリニックの中もキレイで、「さすが首都。自分の任地とは医療環境が段違いだ」と感心した記憶があります。

日本とは大違いの治療

が、日本のクリニックに慣れきった自分にとって、異国モザンビークの歯科クリニックはとんでもない環境でした。

まず、麻酔の針が驚くほど太い。外国人の体型に合わせたサイズなのだろうか?このサイズだと麻酔針を「刺す」じゃなく、「ぶっ刺す」というのが適切な表現のような気が。

「治療を中止にすることを、ポルトガル語で何て言えばいいんだろう?」という考えが頭をよぎる。

そして、1番の衝撃は「The ノンストップ治療」

・「痛くなったら手を挙げてくださいね」という定番フレーズ→なし

・唾液をバキュームで吸い込むひととき→なし

いざ治療へ

特に言葉をかけられることもなく、治療スタート。なんてこった、あれだけ太い麻酔針を刺されたのに……痛い。刺され損だ。

手を挙げてみるか?いや、無駄だ。手を挙げてる=痛がってる、という図式がモザンビークにはない。ではインターバルに伝えるか?いや、ノンストップ治療にはインターバルもない。あ、詰みだこれは。羽生善治先生ですら逃げられない完璧な詰みだ(この間、約1秒)。

感想戦

治療中の自分がどんな状態だったか、同伴していた日本人があとで教えてくれました。

「身体が思いっきりのけぞって、魚のようにビクビク動いてた

あぁ、頑張ってたんだな自分。異国の地で鶏肉に差し歯をもぎ取られても、ネバーギブアップの精神で差し歯を復活できたんだ。

ー【日本帰国後の後日談】ー
日本の歯医者から「差し歯の質が悪いから、交換しますね」と告げられる

やっぱり、ツラい思い出というほどのことでもない気が

こうして当時のことを思い出しながら書き起こしてみると、それほど、というより全くツラい気持ちにはなりませんでした。

結果的に差し歯は入れてもらったわけですし、大事な教訓「海外生活は歯が命」も学べたので。ところで羽賀研二さんは今どこで何をしているのでしょうか。

よし、今度また誰かからインタビューを受けて「協力隊のツラい思い出は?」と聞かれる機会があったら、その時も「特にないですね」と答えよう。「1つもツラいことがなかったなんて素敵ですね!」と再び言われる瞬間を心待ちにしています。

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サイト管理人:やんび〜

アフリカのモザンビークでモリンガ事業を営んでいる日本人です| 青年海外協力隊→開発コンサルタント→起業 (※すべてモザンビークでの経験)|ポルトガル語の通訳・翻訳、モザンビーク関連のコンサルティングサービスも提供しています。まずは気軽にお問い合わせください♪| サービス一覧

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