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モザンビークで起業をしたい、という協力隊員と会って3時間話したときのこと

ここモザンビークはGWなんてないので、普通の週末を過ごしています。

さて昨日は、モザンビークで活動する日本人ボランティアと会ってきました。
さらっと会話して終わりと思っていましたが、予想以上に会話が弾み、3時間ほど話し込みました。

アフリカで起業したい!そう考える人へアドバイスをしたのはこれで2回目です。
たった2回だけなのは、僕が全く結果を出していないから。誰だって成功者の話を聞きたいですものね。・・・僕だってそうです。

でも!だけれども!

こうしてアフリカのモザンビークで何年間も生きているヤツのことだから、何かしら参考になる話が聞けるのでは?
そう淡い期待を抱いてくれたのか真相は藪の中ですが、とにかく昨日はボランティアと会って語りました。

アフリカで起業したい病

起業病 アフリカ

2年間の青年海外協力隊活動が残り半年で終わり、任期終了後はモザンビークで起業したい。

そう考えている男性(以下、Sさん)。

僕にとってSさんは、後任の後任ボランティア。つまり、僕が協力隊で活動していた赴任先で今働いているのが、彼なんです。

今回はたまたま、Sさんが旅行で僕の滞在地を通過するため、「起業のお話聞かせてください!」という運びとなりました。

Sさんのように、「ボランティア後に赴任国へ戻ってビジネスをしたい!」と考える人は、協力隊に多い。
割合でいえば全体の0.1%ぐらいは、本当に戻ってきて起業している。そんなイメージです。

多いのが「絶対戻ります詐欺」で、
「ボランティアが終わったら絶対戻ってくる!」
そう言っていた人が、気づけば日本の生活に溶け込み

寿司サイコー!

とインスタグラムなどに写真をアップすることも、珍しくありません。

あ、別に否定はしていませんよ。

要するに、アフリカボランティア経験者が陥る思考パターンの1つが、「アフリカで起業したい」ということなんです。
アフリカの水を飲んだ者はアフリカに帰る。誰が言い始めたのかわかりませんが、どうやらアフリカの水を飲むと戻りたくなる病にかかるみたいです。

ボランティア→起業はハイリスク・ローリターン

アフリカ ゾウ

さあ、いざ起業!と考え、ボランティア後にとんぼ返りでアフリカへ戻ろうとするアナタ、ちょっと待った!
その前に、いくつかの現実を伝えたい。それを知ってから戻ってきても遅くはありません。

現地を知った気になっている協力隊経験者

「2年間現地に住んでたから、現地事情にも詳しいよ〜仲良い友人もたくさんいるし」
僕もそう考えていた人間の1人。が、そんなに甘くはありませんでした。

そもそも、

2年間でその国を十分理解できるわけがない!

日本に20年間以上暮らしても、僕は日本のことを理解できてるとは言えません。
日本がどういう問題を抱えているのか、現場レベルの声はどうなのか、他国との関係はどうなのか等々、わからないことだらけです。

モザンビークに関しても、6年住んだ今でも常に新しい側面を見せつけられます
被害者からお金を搾り取ってくる警察官なんて、ボランティア時代には出会ったこともないです(あぁ、思い出すと悔しい)。

起業して個人で生活していくと、ボランティア時代には見えなかったアフリカの現実に直面します。
2年で知った気になっていると足元をすくわれるのでご注意を。

ボランティアで2年過ごせても、個人で2年過ごせるとは限らない

この点に関して、僕は心の底から叫びたい。

ボランティア生活は、ぬるま湯ですよ!!

と。

モザンビークの日系企業に就職した元協力隊の知人が、以前僕にこう言ってきました。

「今振り返ると、住居も生活費も何もかも保障してもらっている協力隊の生活って、天国みたいな環境ですよね〜」

そう、協力隊の生活は、何もかもJICAにバックアップされているので、非常に快適。
ゲームでいえば、「やさしい」モードに設定されているのが協力隊の生活といえます。

もちろんこの「やさしい」モードにも、ツライことや大変なことはあります。
マラリアに罹ったり、強盗に遭ったりすることは、協力隊生活でも十分考えられます。

でも、やっぱり生活の難易度でいったら、圧倒的に個人のほうがハード
住居を借りる際の契約書も自分で確認しなきゃいけないし、居住ビザや税金関係の手続きも全部自分でやる必要がある。

「ボランティアの2年間、かなりツラかったけどやっぱり戻ってきてアフリカで事業をしたいんです!」
そうした考えなら、一度ブレーキをかけたほうがいいです。

こういう人はアフリカ起業に向いていない

アフリカ 起業

さて、これまではボランティア→起業のジョブチェンジについて言及してきました。

次は、「アフリカでの起業に向いていない」タイプの人達について説明します。
これは僕の独断と偏見に基づいたものなので、1つの意見として受け止めていただけると幸いです。

 1.スマートな人

・お湯の出る家に住まないと無理
・日本食が無いと生活厳しい

こうした考えの人は、アフリカ起業に向いていません。

「藁葺き屋根の家に住める」「毎日イモだけで生きていける」

そこまでの泥臭さは無くても大丈夫ですが、ある程度低い生活水準でも耐えられる人でないと、アフリカ起業は難しいと思います。

2.マジメな人

アフリカで事業をする場合、『いっしょけんめいハジメくん』のハジメくんみたいなマジメさは不要です。

アフリカではいい加減なことが日常茶飯事なので、自分もある程度いい加減でないとストレスが溜まります

ブルース・リー風に言うと「コップが役に立つのはそれが空だから」なんです(ちょっと何言ってるのかわかりませんね)。

3.結果をすぐ求める人

結果がすぐ欲しい場合は、アフリカではなく違う地で起業しましょう。
銀行預金に数時間かかることもあるアフリカでは、長期戦を覚悟して事業を行う必要があります

僕の尊敬する佐藤芳之さんは、収穫まで数年かかるマカデミアナッツ事業をケニアで展開してきました。

日本から視察に来た実業家から「このスピード感は事業とは言えない」と言われたこともあるようですが、それでも時間をかけてじっくり事業を進め、世界トップ5に入るマカデミアナッツ会社まで成長させていきました。

急激な成長より、一歩一歩の確実な前進

そういうスタイルの人のほうが、アフリカでの起業に向いています。

終わりに

ここまで書いておいてなんですが、実は昨日会ったSさんへは

ここで書いたことを一切話していません。

Sさんとは違う話(僕の事業の失敗談など)を中心に会話しました。
彼にはこの記事も読んでほしいと願う次第です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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サイト管理人:やんび〜

アフリカのモザンビークでモリンガ事業を営んでいる日本人です| 青年海外協力隊→開発コンサルタント→起業 (※すべてモザンビークでの経験)|ポルトガル語の通訳・翻訳、モザンビーク関連のコンサルティングサービスも提供しています。まずは気軽にお問い合わせください♪| サービス一覧

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